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南アルプス 縦走 ブログ

Southern Alps⑤ 13 to 15 Sep. 2014

  • 13 Sep. Kumanodaira Hut - Kita-dake Kata Hut

  • 14 Sep. Kita-dake Kata Hut - Aino-dake - Notori Hut

  • 15 Sep. Notori Hut - Senshio Ridge - Senjo-gatake - Matsumine Hut

 9月13日 熊ノ平小屋~北岳肩の小屋

 

心待ちにしていた9月13日。

この日、4人の友人たちと落ち合う約束をしていたのです。

しかしながら、1週間ほど前に「13日に北岳肩の小屋で会おう」と一方的に連絡したのを最後に連絡が取れていなかったので、本当に会えるものか不安で仕方ありませんでした。

 

とはいえ、私には約束通り北岳肩の小屋に行くことしかできないので、テントを片付け熊ノ平小屋を後にします。この日も快晴!三峰岳からは塩見岳、間ノ岳、そして北岳の尖った姿もバッチリ。北岳が、かっこいい...。

友人との感動の再会の期待に心躍らせながら北岳を越えて肩の小屋へ。

 

肩の小屋に着いたのが13時前。まだ誰も来ていないようだ。

小屋の前でそわそわしながらみんなを待つ。本を読みながら待つものの、気が気でなく内容が全く頭に入らない。1時間ほど経ったころだろうか、「キョロ!(私のあだ名)」と呼ぶ声が!親友Y氏ではないか!

感極まった我々は鼻水と涙を垂れ流して再会を喜びました。

 

その後、北岳で出会った熊谷在住のMさんと話しながらあとの3人を待つが、なかなか現れない。16時を過ぎても現れない。

 

「やはり事前の連絡が不十分だったか…」と諦めかけたその時。テント場に見慣れた顔が…。親友PとKじゃないか!そして少し離れたところにはCちゃんの姿が!

皆と熱い抱擁を交わし、一緒に晩御飯をいただきます。

 

やはりみんなで食べるご飯はうまい!とても楽しい。

わざわざ予定を合わせてくれた友人達と共に過ごす山の時間。これ以上の幸せはないなとつくづく感じた夜でした。そして空には私たちの再会を祝福するかのような満天の星空。持つべきものは友だ。

 

美味しいごはんで身も心もほくほく。暖かい幸福感に包まれて寝袋に入ったのでした。

 

ああ、幸せだ。

 9月14日 北岳肩の小屋~間ノ岳~農鳥小屋

 

雲海の先から昇った朝日がテントに付いた霜を融かすころ、そそくさと準備を整え5人で北岳に出発。

友達と登る山のなんと楽しいことか!!!ここまで10日以上ずっと一人だったこともあり、楽しくてしようがない。本当にみんなに感謝です。

 

北岳を越えて間ノ岳へと稜線を歩きます。アップダウンを繰り返して山頂へ。生憎のガスに包まれた山頂でお昼ごはん。みんなで食べるとご飯もうまい。

ずっと山ではなかなかビタミンも取れていないだろうと、私の身体を気遣いパイナップルの缶詰を持って来てくれたP氏、本当にありがとう。

ここで3人と別れ、Y氏と二人で農鳥岳へ。間ノ岳から農鳥岳へ大きく下ります。ここを明日登り返すのかと思い少しうんざり(翌日は農鳥から仙丈ケ岳方面へ)。

 

「農鳥小屋のおっちゃんは怖い」という事前情報を得ていたY氏にビビらされながら農鳥小屋へ。幸か不幸か我々の対応をしてくれたのは爽やかなアルバイトさん。怖いものみたさでおっちゃんに会いたかった気もするが…。

 

テントを設営し農鳥岳へピストン。険しいアップダウンとやせ尾根のなかなかくたびれる道のりでしたが、ここからの眺めは素晴らしいものでした。日差しも傾き橙色に染まる稜線、深い谷、尾根の先に見える間ノ岳のどっしりとした姿。

特に南側から見る間ノ岳の姿はたくましく、心揺さぶられるものがありました。その大きな姿は遠くからもよく目立ち、ずっとこの山を目指して歩いていたので、なおさら感慨深く感じられたのかもしれません。

 

農鳥岳のピークを踏み、無事白根三山縦走を完遂。テントに戻ってこの日はお終い。

 

余談ですが、農鳥小屋の水場は遠いです。かなり高度差があります。気を付けて!

 9月15日 農鳥小屋~仙塩尾根~松峰小屋

 

この日も美しい朝日で幕開け。親友Y氏ともここでお別れ。友人と過ごした時間はとても充実した楽しいものでした。本当にありがとう。

 

農鳥小屋で別れて一人旅に逆戻り。時間の流れが遅く感じられます。ただ、それと同時に自分の好きなペースで歩ける気楽さも感じていました。バランスが大事だな。

間ノ岳への長く大きな登りを越えて三峰岳へ。ここから仙塩尾根で仙丈ケ岳を目指します。

 

このルートはあまり入る人もいないのか、ハイマツが登山道に大きくせり出していて歩きにくい。脚をむき出しにした短パン姿の私には厳しい道で、ハイマツが突き刺さり何か所も流血。

 

そんな生傷の絶えない短パンでしたが、それでも旅の最後までずっと短パンで歩いていました。なんてったって涼しいし、汗でベタつく感じも少ないので、頻繁に着替えられないこういう旅には最適だと思えたからであります。

 

道中ところどころにあらわれる急な痩せ尾根で、何度かバランスを崩し転んでしまいました。山に入って10日目で疲労が溜まっていたということもあるのでしょうが、ここで怪我なんてしたらあほらしい。気を引き締めよ!と自分に言い聞かせました。

 

樹林帯の尾根道を、ずんずん北へと歩いていきます。どんどん近づいてくる仙丈ケ岳。南アルプスももうすぐ終わりだと実感。寂しさ半分、下界で風呂に入れる喜び半分。山は最高ですが、やっぱり下界の快適な暮らしも大好き。バランス、バランス。

 

仙丈ケ岳を越え、地蔵尾根に突入。

尾根に入ると早速ライチョウさんのお出迎え。つぶらな瞳がかわいらしい。

地蔵尾根は一般的なルートではないからか、とても神秘的な雰囲気で“原生林”といった印象。シラビソもでかいし苔もモフモフ、鹿の声もよく聞こえるし、どでかいフンもある(こりゃ熊だな)。その原始的な森は苔好きの私にはたまらないものでした。モフモフかわいい苔ちゃんを撫でつつ進み、松峰小屋で宿泊。ちょっとじめっとしていて、謎のフンがあったりする小屋ですが、雨風がしのげるので問題なし!

 

明日、ついに下山です。

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