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中央アルプス/御嶽/乗鞍 縦走 ブログ

中央/御嶽/乗鞍編①(9/17~9/20)

  • 9/17 駒ヶ根市街~池山小屋

  • 9/18 池山小屋~空木岳~宝剣岳~木曽駒頂上山荘

  • 9/19 木曽駒頂上山荘~木曽駒ヶ岳~木曽福島市街

  • 9/20 木曽福島にて、沈没

 9月17日 駒ヶ根市街~池山小屋

 

ビジネスホテルの広くて快適なベッドに興奮したのか、ほとんど眠れず、ぼうっとした頭を抱えて朝ごはん。開店の6時半ちょうどにバイキング会場に入り、1時間ほどかけてゆっくりたっぷり胃を満たします。南アルプスの11日間で5kgほど減ってしまった体重を少しでも取り戻さなければ…!

 

荷物をフロントに預け、すこしお散歩。

駒ヶ根の街は凛と涼しくすっかり秋の陽気。日差しは柔らかく道端にはコスモスの姿も。

東西を南・中央アルプスに挟まれたこの街は景色が良く空気も美味い!ここからは東西の駒ヶ岳がよく見えます。このあたりの人が甲斐駒ケ岳と木曽駒ヶ岳を「東コマ」「西コマ」と呼ぶのも納得です。

 

まず、荷物を軽くすべく、今後使うことがなさそうなTシャツやタオルなどを実家へ郵送することに。運賃を抑えるためレターパックするも、なかなか既定の厚さにおさまらず悪戦苦闘。すると窓口のお姉さんから「もっと平らに畳んで封筒のハジまで上手く使って!」と暖かいご声援。お姉さんの力添えもあって無事に発送。

 

2泊3日の中央アルプス縦走分の食料と電池、忘れてしまった雨用手袋の代わりとなるゴム手袋(お掃除用)を購入して準備は万端!登山口へと向かいます。忘れ物は、ない!

 

中央アルプスの雄大な姿を仰ぎ見ながら歩きます。

美しい山々、曇りのない青空、進む道路の脇にはオレンジ色ののぼり。「名物ソースかつ丼」の文字。あ。忘れ物発見。ソースかつ丼を食べ忘れた…。

 

そうこうしている間に登山口に到着し山歩きスタート。蚊の猛攻にあいながら登っていきます。道中すれ違った方々の多くが日帰りで登られているというのが驚きでした。南アルプスでは、その山深さゆえか日帰りの方と会うことはほとんどなかったので、これだけ標高の高い山に比較的手軽にアクセスできる中央アルプス(私は空木~駒ヶ岳しか歩いていませんが)がとても魅力的に感じられました。人と山との距離が近い。

 

ササに覆われた道を進んで池山小屋に到着。よく整備されたとってもきれいな小屋でございます。ご飯を食べて、就寝。

 

この晩、私は蛾を一匹殺しました。パタパタとよってきた蛾をそこにあったほうきでバチンと叩いてしまいました。小屋の窓を開けて外に逃がせばよかっただけなのに、なぜ殺してしまったんだろうと後悔。ごめんなさい。無駄な殺生。共存せねば...。

 9月18日 池山小屋~空木岳~宝剣岳~木曽駒頂上山荘

 

日の出前、4時半ごろに出発。もやの中、ヘッドライトの明かりを頼りに進みます。

歩きはじめは真っ暗だった林の中も、日が昇るにつれて、だんだんと青白い光に包まれていきます。なんと神秘的な色だろう。

 

いつの間にやら雲の高さを超えて、ふと振り返ると東側に一面の分厚い雲海!その濃密な海は駒ヶ根市街をすっぽり埋め尽くし、遠く南アルプスまで続いていました。舟があれば南アルプスまで渡っていけそうなくらいの、大海原。

 

森林限界を超えると白い巨岩がゴロゴロ転がる不思議な光景。そんな白い石庭を通って空木岳に到着。山頂からは木曽駒ヶ岳へと岩の稜線が続き、西には御嶽山の姿が見えました。御嶽!でかい!ちょうど、噴火の10日ほど前でした。

左右に広がる眺めは素晴らしいのですが、木曽駒に向かう岩の稜線はアップダウンも多く体力のない私はもうへとへと。熊沢岳山頂でひと休み。

お菓子でも食べようとザックを降ろし、食糧袋を開けた私の目に飛び込んできたのはなんとも美味そうな梅干しちゃん。小河内岳避難小屋で出会ったTさんがくれた手作りの梅干しです(Tさんとの出会いはこちら)。「疲れたときに最高だよ」と、もらった梅干しは、その言葉通りヘロヘロになっていた身体に染み渡りました。本当にありがとう。

 

高度感のある岩の稜線を北上します。

疲労で歩く気力を失いかけ、途中の檜尾岳避難小屋で泊まろうかとも思いましたが、なんとか誘惑を振り切り歩を進め、宝剣岳を越えてテント場に到着。宝剣岳はとってもスリリングな岩の塊。

 

さっさとテントを立て、疲労困憊の身体を横たえ就寝。

この日の昼過ぎから膝が痛み出した。

 9月19日 木曽駒頂上山荘~木曽駒ヶ岳~木曽福島市街

 

のんびり目覚めるとすでに6時半。とっくに日も昇っていました。

朝ごはんを済ませテントを撤収。隣にいたおじ様に「いや~今日の日の出は最高だったね~なかなか見れるもんじゃないね~!」と言われ、爆睡して朝日を見逃した自分が悔しかったので「そうですね~大地の力を感じましたね~!」と嘘の返答をしました。

 

最高の朝日だったというだけあってこの日も快晴!素晴らしいお天気の下、木曽駒ヶ岳山頂へ。抜けるような青空。さんさんと降り注ぐ日光に照らされ、頂上の神社もまぶしく輝いています。

頂上からはこれまた360°の大パノラマ。南アルプスに八ヶ岳、北アルプスもかなり近くに見えるようになってきました。そして前日から歩いてきた中央アルプスのうねるような稜線もばっちり。尾根いいな~尾根!LOVE尾根!!

 

さて、木曽福島方面へ下山します。(福島Aコースで)

高度を下げて樹林帯に入ると、ちらほらと色づき始めた木々が。もう秋だな~なんて思いながら、長い長い下り道を進みます。長い下りで膝と前モモの疲労も絶頂に達し、膝が疼きだす。標高が下がるにつれて変化する植生を楽しみつつも、膝まわりを刺激しないようにとぼとぼ歩きます。

林道に出てしばらくのところにある、駒の湯さんでお風呂に入ります。温泉!湯船につかるのは、南アルプス入山前の白樺荘以来なので約2週間ぶりでございます。

浮かれ気分でドアを開け、貸切状態のお風呂で鏡の前に立って愕然。

 

誰だ、こいつは。誰だ、このガリガリの男は。

前よりもちょっと痩せた胸とお尻にため息つきながら(ふくらはぎだけは毎日歩いているおかげで成長)、久々の温泉を心いくまで堪能。ゆっくり休んで木曽福島中心部へと向かいます。

 

町に着いたころにはあたりも暗くなっていましたが、さすがは歴史ある宿場町、灯りに照らされる町並みが美しい。駅前でトンカツを食べ、あてもなく歩いていると素敵な門構えのこぢんまりとした民宿を発見。かわいらしいおばあちゃんのこのお宿で、就寝。

 

 9月20日 木曽福島にて、沈没。

 

この日は休息日。

食っちゃ寝、食っちゃ寝して、一日を過ごしました。

ここで少しは体重も回復できたのではなかろうか...。

 

木曽福島の町は山に囲まれた狭い谷にあります。ここは日に当たる時間も短いのだろうな~なんて思いながら町を散策。美しい宿場町の風景を楽しみつつ歩いていると、谷間の町にこだまする元気な声が聞こえてきました。

この日は土曜日、どうも近くの小学校で運動会をしているようで”ちびっこアナウンサー”の実況が町全体に響いていたのでした。「赤組がんばれ」とか「白組がんばってください」などなど、実況中継を聞きながらの散策を楽しみました。

 

そして翌日以降の旅に備えて食糧を買い足します。

ここからゴールの日本海親不知まで、食料をまとめて補充できそうな場所がないので、ゴールまでの約25日分を買い込みます。

スーパーへ行き、かごいっぱいに早ゆでパスタやインスタントラーメン、カロリーメイトやいろいろなお菓子を詰め込みお会計。かさばるしゴミにもなるので、不必要な箱や包装を処分させていただき、両手に大きな袋をぶら下げて宿に戻ります。

ごみを捨てさせてもらっておきながらこんなこと言うのも失礼ですが、どれも商品の包装が過剰だと思います。

 

さあ明日は御嶽山へ。遠く南アルプスからも見えていたその大きな大きな山に、いよいよ登るのだと思うと、ワクワクを抑えられませんでした。

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