top of page
北アルプス 縦走 ブログ

北アルプス編①(9/28~9/30)

  • 9/28 乗鞍高原一ノ瀬キャンプ場~白骨温泉~上高地~徳澤園

  • 9/29 徳澤園~北穂高岳~涸沢岳~涸沢

  • 9/30 涸沢~奥穂高岳~前穂高岳~涸沢

 9月28日 乗鞍高原一ノ瀬キャンプ場~白骨温泉~上高地~徳澤園

 

国境の長い釜トンネルを抜けると上高地。

 

ついにこの日、昼過ぎに上高地到着。9月2日に静岡を出発してから27日目、光岳で上高地と上河内を勘違いしてからは21日目。本当にあっという間です。

 

朝3時半ごろ、そろそろと起きだして身支度。かじかんで思う通りに動いてくれない手指を息で温めながら、テントを片付ける。5時前に出発。この日も雲一つない空。うっすら明るくなり始めた空には、まだたくさんの星。

 

スーパー林道を通って上高地まで約25kmの道のりを歩きます。泣く泣く途中の白骨温泉を素通りし、どどんと大きくそびえたつ霞沢岳を目印に上高地を目指します。

 

しばらく歩いて国道158号線に合流。標識には「上高地」の文字。国道を行き交うバスにはたくさんの登山者の姿。いよいよだ!いよいよ上高地だ!

長いトンネルを何本も抜けていきます。充満する排気ガスと埃で気分は最悪。吐き気を催しながらも坂を登りきって最後の釜トンネルに到着。そして、トンネルの先には…。

 

ついに到着、上高地!目の前には焼岳!でかい!紅葉している!そして大正池!きれい!カモがかわいい!しばらく遊歩道!だるい!長い!風呂!風呂はどこだ!風呂に入りたい!

ここまでの道のりでへとへとに疲れていたので上高地温泉ホテルに直行。ここを最後に、ゴールの日本海親不知までもう風呂に入ることは出来ないので、心いくまで温泉を堪能、身体の隅々まで洗い倒します。

 

河童橋で山賊焼きを食べ(ご飯のおかわりが無料だったので3杯頂きました)、徳澤園へと再出発。さすがは北アルプスの玄関口、登山客が多い。そしてクライミング装備の方もたくさん。岩、登りたいなあ。

 

旅館のようにきれいな徳澤園に到着したのは17時過ぎ。隣のテントでフランス人カップルがささやきあう愛の言葉を子守唄に就寝。

この夜もまた、満天の星空。

 

 9月29日 徳澤園~北穂高岳~涸沢岳~涸沢

 

この日は、旅の最大の目的のひとつである涸沢へ。

静岡から北上するルートにしたのも、9月上旬にスタートしたのも、全ては涸沢で紅葉を見るためでした。ついにその憧れの涸沢へ。胸を躍らせながら、日の出前に出発。

 

真っ暗な森を歩いていると、茂みの中に私のヘッドライトに照らされて光る2つの目玉が。その動物もびっくりしたのか、こっちを見たまま微動だにせず、しばし無言で対峙...。その姿を全て照らすにはライトの光量が足りない。背丈からしてシカか、カモシカか。

…ずっと会いたかったし、カモシカということにしよう。

 

横尾から橋を渡って涸沢方面へ。次第に鮮やかさを増す木々。待ちに待った、紅葉の涸沢への期待に胸が膨らみます。

 

そうしてついに辿り着いた涸沢。そこで待っていたのは大感動の光景でした。

雲一つない青空、荒々しい岩稜に色鮮やかな木々。どこを見渡しても、美しい。私の語彙力では、とてもこのときの感動を言い表すことはできません…。

旅の最大の目的でもあった紅葉の涸沢に、こんなにも素晴らしい天候のもとやって来ることができた幸運に感謝です。

 

涸沢にテントを設営して北穂高岳へ。鎖場の連続で、とても楽しい。

高度感もありスリル満点の鎖場で、涙声で助けを求める彼女と、「黙って付いてこい」と言わんばかりにその声を無視して突き進む彼氏の素敵なカップルに出会ったり、なんやかんやしている間に北穂高岳到着。

頂上からは360°の大パノラマ。目の前には槍ヶ岳。ずっと北には白馬岳の姿も。というか四方八方全部見える。どこまでも山。北アルプスはでかいなあ。最高。

北穂高から細い岩尾根を通って涸沢岳へ。西に見える笠ヶ岳の整った姿が美しい。

涸沢岳頂上には、ちょうどこの日に奥穂高岳に登り、百名山を全て制覇したというご夫婦がいらっしゃいました。しかも全て二人で一緒に登ったとのこと。なんて素敵なふたりだろう!

 

この旅を通して、このご夫婦のように百名山制覇を目指す方や一等三角点の山を登る方など様々な人に会いましたが、みなそれぞれにテーマを決めてそれぞれのやり方で山を楽しんでいらっしゃいました。それぞれの価値観やペースに合わせて、あらゆる楽しみ方ができる「登山」というものの懐の深さを知って、私自身もますます山が好きになったのでした。

自分で遊び方を決められるって、ものすごく魅力的。どっちの方が偉いなんて競うこともなく、それぞれの楽しみ方を尊重できるのがすがすがしい。

 

テントに戻って就寝。涸沢小屋で売っている揚げもちは、くせになる味でございました。

 

 9月30日 涸沢~奥穂高岳~前穂高岳~涸沢

 

美しいモルゲンロートで幕開け。朝日に輝く穂高の山々が神々しい。

穂高岳山荘を経由して奥穂高・前穂高方面へ。はしごや鎖場を楽しく登っていきます。奥穂高から西穂高へとつながるジャンダルムを行く人の姿もありました。めちゃくちゃ怖そうですが、次の夏には行きたい。...いやまだまだ実力不足か...。

 

前日、涸沢岳方面からは奥穂高岳に隠れて見ることのできなかった岳沢・上高地・焼岳の眺めがすばらしい。その先には御嶽や乗鞍岳も。御嶽からはもくもくと噴煙が上がっている。

奥穂高・前穂高と登って、来た道を戻ります。

 

13時ごろ涸沢のテントに帰宅。前日に食べてはまってしまった涸沢小屋の揚げもちを食べながら、Tシャツや、汗をたくさん吸い込んで酸っぱい香りを放ち始めたザックを天日干し。太陽のぬくもりをいっぱいに溜めこんだ涸沢カールで、太陽の匂いを感じながらのんびりと過ごします。

 

それにしても涸沢は素晴らしい。大きなカールを囲む峰々は大迫力で小屋の設備も充実、小屋もテン場も居心地は抜群。

そしてどれだけ見ていても飽きることのない景色。テン場から東に見える常念岳の均整のとれた姿。稜線に出れば焼岳やジャンダルム、笠ヶ岳、槍ヶ岳やそのずっと先まで連なる大きな山々が一望でき、「一体どんな風景が広がっているのだろうか」とまだ見ぬ世界に思いを馳せずにはいられません。

そんな山々を見てしまったが最後。そこからの眺めを見てみたいという思いは膨らむばかりで、もう行かずにはいられない。登らずにはいられない...。

 

どうやら登山はやめられそうにありません。

bottom of page